「だから、どこにも行かないように
繋いでおきたいのです」
私の両手首が、綾羽くんの大きな手のひらにまとめて包まれた。
その手には力がこもる。
「学生の今は無理でも、大人になったら必ず。全てを準備して、なちこを本当の意味で俺のものにする」
向けられた瞳には
底知れない覚悟のようなものが
見え隠れしていた。
冗談なのか本気なのか。
身が竦みそうな眼差しに
ゴクリと唾を飲む。
「チョーカーはその練習。
一生俺に縛られるんだから
慣れておかないとね」
「え?し、縛」
「今日と明日の土日の間。俺の家から出るの禁止ね。離れるのも、他の人間と連絡取るのも禁止」
「えぇ?!ちょっと待ってっ」
綾羽くんは何を言っているのだろう。
明らかに顔つきが変わっている。



