「なちこは猫みたいだよね」
「な、なにそれ」
「あんまり甘えてくれないし
俺のことすーぐ放置する」
「………」
「なのにキスすればすぐとろけちゃって
ふにゃふにゃなちこ死ぬほど可愛い」
「なんなの?もう」と、たまらない様子でおでこを擦りつけてくる。
私が猫と言うならば
綾羽くんは大概わんこだ。
くっつきたがりでやきもち焼きな
甘えんぼう。
気づけばいつも隣にいる。
まぁそんな綾羽くんが好きなんだけど。
「猫はさ、すぐにどこかへ行っちゃうよね。気まぐれで。俺からしてみればそこも可愛いんだけど…やっぱり少し不安なんだ」
綾羽くんのトーンが下がる。
これは寂しい時に出す声だ。



