愛しても、いいですか

そこは高級ブランドのフロアで、そのまま私の手を引いてズンズン歩いて行く大石さんに、え、となる。

「…大石さん、私こんな高級な服は買えませんけど…」

と恐る恐る言うと、

「…自分を変える第一歩として新しい服、買いに来たんでしょ?だからいつもとは違う服を買おう。それ、俺がプレゼントしたい」

…やっぱりエスパー?全てお見通しだったらしい。

「…いや、でもこんな高級な…」

「沙耶香ちゃん、こういう時は素直に甘えなさい?」

これからそういう練習をしていくんだよ?とにこ、と微笑み優しく付け加える。

世の女性が蕩けてしまいそうな笑みを称えて、誰もが知っているブランドショップに入る。

そして店員さんに何かを伝える大石さん。