愛しても、いいですか

二人で横断歩道を渡る。土曜日の駅前はそれなりに人通りが多く、すれ違う人すれ違う人私たちを振り返っていく。
…大石さん、イケメンだもんな…隼にぃの店で見慣れていたからすっかり忘れていたけど、この人はかなりかっこいいんだった。
スラッとした長身に、くっきりした目鼻立ち、シャープな顎のラインに精悍な顔つき。
端正な横顔をちらりと眺め、本当にモデルみたい、と思う。
そりゃあ、女の人もほっとかないはずだ。
こんな人と私は今日から一緒に住むのか。
ドラマみたいな話だ…並んで歩くことすら申し訳ないと思ってしまう。

駅ビルに入り、案内板を見る。普段私が買っている手頃な価格帯のファッションブランドも入っている。
そのお店のある5階までエスカレーターで上がろうとすると、3階で大石さんに手を引かれた。