愛しても、いいですか

「終わった?」

「はい。それで、一緒に住むに当たって足りない物の買い出しをしたいんですが、ちょっと買い物に行って来てもいいですか?」

「…沙耶香ちゃん、それなら二人で一緒に行こうよ。っていうかそこは買い物行きたいから車出してって甘える所だよ」

そう言われる。

「ええー、そこまで厚かましくなれないです」

ほらまた遠慮するー、と優しく笑われる。

「…まあ、ちょっとずつ、ね。慣れていけばいいよ」

そう言って私の頭をポンポンする。
…頭をポンポンするのは大石さんの癖だろうか。

「でも車で行っちゃったらこの辺の地理とか覚えられないので、一緒に歩いて行きませんか?」

そう提案すると、それもそっか、と大石さんは頷いてくれる。

貴重品の入ったショルダーを下げて、大石さんと出発した。