愛しても、いいですか

「…いや、何かもう色々と凄すぎて言葉が出ないだけです…」

そう言えば、よかった、と安堵の溜息を吐く。

一旦部屋を出てこの隣が俺の書斎ね、と教えてくれ、そのまま今度はバスルームを案内してくれる。廊下の左手のドア。開けるとまず洗面台が二つ並んでいることに驚く。さっきの部屋にも洗面所が付いているのに、ここにも洗面台が二つも…もはや3、4人でルームシェア出来るくらいの家だ…
浴室を開けると大理石風の壁と床に囲まれ、高級ホテルのそれを思い出させる。高級ホテルなんて泊まったこともないけど…
猫足のバスタブが出て来なくて良かったとそう思うことで落ち着くことにする。

「いつでも使っていいからね」

と言う大石さんに、ほんとに大石さんは何者なんですか…と呟けば、ははっと軽く笑われて答えてはもらえなかった。