愛しても、いいですか

でも、いくら私のためとは言え、期間限定の彼氏だからとは言え、そこまで大石さんにしてもらう権利が私にあるのだろうか。ただの飲み友達でしかなかった私に…

「…変わりたい、です。でも…」

「俺にそこまでしてもらう権利が自分にあるのか、とか思ってる?」

…う、図星だ。やっぱりこの人はエスパーか。

言い当てられて俯く私の頬を両手で包み込み、大石さんの方を向かされる。

「これはそもそも俺が言い出したことだよ沙耶香ちゃん。あの時傷ついている沙耶香ちゃんを見て俺は期間限定の彼氏になりたいって言った。沙耶香ちゃんを変えてあげたいって思った。これは俺のわがままなんだよ沙耶香ちゃん。一緒に暮らしたいっていうのも俺のわがまま。沙耶香ちゃんが遠慮することはないんだ」

だから、俺のわがままに付き合ってくれない?

そう悪戯っ子のように微笑まれて可愛く小首を傾げられたら、私はもう従うしかない、あの日のように。
この人はどこまでも私の扱いが上手いー