愛しても、いいですか

「隼は沙耶香ちゃんのこっちでの保護者みたいなものだからね。俺の家に一緒に住むからもう皆勤賞じゃなくなるよって伝えておいた」

そしてさっきとは打って変わって真面目に話し出す。

「沙耶香ちゃん、俺は沙耶香ちゃんに頼ったり甘えたりしてもらうために期間限定の彼氏になったけど、先週の水曜日から今日まで仕事が忙しくて全然会えなかった。こんなペースじゃあ、沙耶香ちゃんに好きな人が出来る前に沙耶香ちゃんのこと変えてあげることができない」

そう言って困ったように笑い私の頭をポンポンっとする。

「一緒に暮らせば朝や夜だけでも会える時間が必ずあるし、休みの日だって甘えさせてあげられる。だから今日はちょっと強引だったけどここに連れて来た」

「…そうは言っても、あくまで仮の彼氏な訳ですし、付き合ってもいない男女が一緒に暮らすと言うのはどうかと…」

「…沙耶香ちゃんは変わりたくないの？」

熱のこもった真剣な眼差し。

…変わりたい。同じ失敗は繰り返したくないしこれ以上自分のことを嫌いになりたくはない。