愛しても、いいですか

「沙耶香ちゃん最高。面白過ぎるよ、それ。うん、靴は脱いでね」

そう言われてかぁ、と顔が赤くなる。靴を脱ぎ、お邪魔します、と小さく呟いて上がらせて頂く。
スーツケースは玄関に一旦置いて、大石さんが中を先導してくれる。
大理石風の廊下を進み突き当たりにドアが二つあって、そこを右に曲がりドアを開けるとすごい広さのリビングが現れた。ざっと17、8畳はあるんじゃないだろうか…

何人座れるんだという手触りの良さそうなベージュの大きなソファーに「座って」と促される。

コーヒーでいいかな、そう聞かれてお構いなく…と答える。広過ぎてとにかく落ち着かない。

しばらくしてコーヒーを持って大石さんが私の隣に座った。

どうぞ、と渡されてありがとうございますと受け取る。