愛しても、いいですか

「どうぞ上がって」

ドアを開けて、招き入れてくれる。上がる前にここはもうはっきりさせておかなければ…

「…あの、ここは大石さんのお家…」
「うん、そう」

ですか、と言い切る前に被せ気味で答えが返って来た。

「…なぜ私は大石さんのお家にお邪魔することに…?」

「それは中に入ってから教えてあげる」

ニヤリ、と笑ってさあさあ、と促されるまま玄関に入る。玄関だけでかなりの広さがある…
長い廊下の向こうは一体どうなっているの。

段差のないバリアフリーな玄関に、これはアメリカ式でなく日本式でいいんですよね、靴脱ぐんですよね…?と思わず聞いてしまった。

ぶはっ、と吹き出して口元に手をやりくっくっくっ、と肩を震わせて笑う大石さん。