「沙耶香ちゃん俺来てない間も結構来てた?」

「あー、はい、先週は火曜日以外、今週は今日まで皆勤賞です」

「皆勤賞て、ここ学校じゃないし!毎日来なくていいし!」

私の言葉に、生一つとお通しを置きながら隼にぃが思わず突っ込む。
その突っ込みに、大石さんもハハッと笑った。

「だって仕事で疲れてるのに、家帰って一人分のご飯作るとか、面倒くさ過ぎる。コンビニご飯よりも隼にぃのとこ来た方が確実においしいし栄養も取れるしさ、その辺で野垂れ死ぬよりいいでしょー」

売り上げに貢献してるんだよ、と付け加える。

「確かに隼の飯はうまいからなー。あ、沙耶香ちゃん、俺もさっき串盛り合わせ頼んでちょうど来た所だから分けてあげる」

そう言うと大石さんはレバー串を1本つまんで「はい、あーん」と私の口へ運んでくる。

隼にぃの店のレバー串は私の大好物だ。

「大石さんて、そう言うところありますよね」

「え、どういうところ?」

「何か、無意識に女子をたらし込むところ」

「…いや、たらし込んでないし」