愛しても、いいですか

血は繋がっていないけれど、私を麻衣と同じように大事に育ててくれた母。

私を本当の姉のように慕ってくれた妹。

そして、人に甘えられない不器用な私をそっと見守ってくれていた父。

私の大切な家族ー。

「…はい、こんな温かい家庭で大切に育てられた沙耶香さんを、必ず幸せにします」

新さんも居住まいを正して、そう言って私の大切な家族たちに深々と頭を下げたー。



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フラワーシャワーを浴びて幸せな2人を見ながら、私はあの時のことを思い出していた。


ーその後の披露宴もとても素敵だった。

私は美咲さんのお色直しの間のスライドショーでうるっと泣きそうになって、どこに泣く所があったんだと隼にぃに笑われ、最後の美咲さんからご両親へ宛てた手紙の所ではついに涙腺が崩壊して新さんに困ったように笑われた。


ーそうして素敵な結婚式の余韻に浸りながら、私は今美咲さんの控え室に向かっている。