「…沙耶香ちゃん…そんなことされたら、俺、我慢出来なくなっちゃうんだけど…」

そう言って抱きついた私をちょっとだけ離して、大石さんが私にちゅっ、と軽いキスを落とす。

かぁぁっ。顔に熱が集まる。

「…その顔、反則」

次の瞬間には玄関のドアに背中を押し付けられ、さっきとは比べ物にならないくらいの深いキスを落とされた。

静かな玄関に響くキスの音。
角度を変えて何度も何度も唇を貪られる。

そして、大石さんの熱い手がワンピースの裾から侵入してくる。

…そう、私は今日大石さんから買ってもらったワンピースを着ている。
実は、このワンピースには試着した日以来一度も袖を通していなかった。
大石さんはこのワンピースが私によく似合うと試着した日に言ってくれたけど、ワンピースなんて私のキャラじゃないような気がして気恥ずかしくて一度も着られていなかった。