一緒に暮らす目的も果たし始めた頃、俺の正体が自分の会社の副社長だと知った沙耶香ちゃんがパーティーの帰りに酔っ払いに絡まれて、それを見た俺はもう我を忘れた。
もう、誰にも触れさせたくない。俺が守る。
そう思った。

ーその後酔っ払って部屋でおもむろに服を脱ぎ出した沙耶香ちゃんを襲わなかった自分を褒めてやりたい…

沙耶香ちゃんと暮らし出してからずっと禁欲生活だった。
好きな人を目の前にして手を出せないもどかしさ。
もう沙耶香ちゃんしか見えていない俺は他の女性を抱きたいとも思わなかった。

期間限定の彼氏故に、沙耶香ちゃんが「好きな人が出来た」、その一言を言ってしまえば終わってしまう関係。

でも、好きな人が出来ないのをいいことにずっと甘えていた。
ずっとこのままでいられるんじゃないか、そう思っていた。