冷や汗たらたらで付け加える。

それでもじっと私の手元のスマホを見つめて微動だにしない大石さんに、

「…な、何か変な話してすみませんでした!映画、見ましょうか…!」

そう言うと、私のスマホを見つめていた大石さんがす、と視線を上げて私の顔を見つめる。

その熱のこもった真剣な眼差しにはっとする。

「…俺は沙耶香ちゃんを可愛げがないと思ったことは一度もないよ」

「…え?」

「出会ってから今まで、一度もない」

大石さんは私の目を切なそうにじっと見つめて繰り返す。

そしてふ、とさっきまで纏っていたぴりぴりした空気を和らげて、

「…沙耶香ちゃんは可愛いよ?その男は見る目がないな」

そういつものほっとするような顔でにっこり微笑んでくれた。

「映画、どっちから見る?」

「…じゃあ、この前途中で寝ちゃった恋愛映画から…」

「了解!」

にっ、と笑う。

…いつもの大石さんに戻った。


2人でいつものソファーに並んで腰掛け、ホットドッグやホットサンドを食べながら鑑賞するけれど、さっきの大石さんのいつもと違う様子と言われた言葉が気になって気になって、今回は起きていたにも関わらず結局内容が頭に入ってこなかったー