私達は他愛もない話をする。会社であったことや、高校の時の思い出話。

「そう言えば、今週の土曜日は予定ある?」

「ないけど、何で?」

「俺、見たい映画があるんだけど、暇だったら、一緒に行かない?」

「えー、レンタルかぺイパービューでよくない?」

「新作だからレンタルにはなってないんだよ。」

「それもそうか。たまには、映画館もいいかもね。」

「じゃあ、一緒に観に行こうぜ。どうせ、あゆも暇なんだろ。」

「涼介こそ、映画に誘う人もいないの?可哀想だから、一緒に行ってあげてもいいよ。」

「それはそれは・・・、誠にありがとうございます。
映画の時間を調べてお知らせしますので、よろしくお願いいたします。」

涼介は「ハッハー。」と言いながら、床に頭を付けた。

「何のつもり?」

「ご主人様の言うことは絶対ですから。ありがたき幸せ。」

「バカバカしすぎて笑えない。」

でも、この馬鹿馬鹿しさに幸せを感じる。

「じゃあ、土曜日忘れるなよ。」