転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

「違うよ、騎士ってお姫しゃま守るのかと思ったら違ったから」
「ん?ドラゴンをやっつけるのは姫を守るためだろ?知らないのか?」
 ああ、そういえば、絵本はそんなストーリーだったっけ。
 マルヴェルが、私が絵本の内容を知らないと思ったのか、一生懸命舌ったらずな口調で物語を聞かせてくれた。
 かわいい。弟がいたら、こんな感じなのかな。
 あ、私の方が生まれたのは遅いんだっけ。
 それにしても、なごむわぁ。
 日本人っぽい色合い、なごむわぁ。
■6
 思わず手を伸ばしてマルヴェルの髪の毛をなでなで。
「黒い髪……」
 攻略対象にいなかった。モブにも。
 ってことは、マルヴェルは完全に乙女ゲームの外のキャラ……じゃなくて、人間なんだよね。っていうことは、私の死亡フラグには全く関係ない人間ってことじゃない?
 マルヴェルが慌てて髪の毛を抑えた。
「く、黒じゃなくて、すんごく濃い茶色だからなっ、俺は、不吉な黒色なんかじゃないんだ……」
 おや?黒が不吉?そんな設定あるの?初耳だ。
「だれが、黒は不吉だって?僕は、黒も大好きだけど?」
 マルヴェルの目が信じられないと顔を上げる。
「僕の目は濃い紺色でしょ?夜に鏡を見ると黒く見えるよ?おとうしゃまもそうだよ?夜会うと不吉になうの?そんなことないよね?」
 にこっと笑うと、マルヴェルがこくんと頷いた。
「そういえば、僕の髪、薄い金色は、剥げやすいから不吉だって聞いたことあるよ?マルヴェルは僕の髪を見ても平気?」
 っていうのは、二次創作本にあった表現か。兄1が王子から悪口言われたシーンにあった。その髪の色はきっと将来剥げる、だから俺にしておけ!とか馬鹿なセリフだったなぁ。
「お、俺、リザークのキラキラした髪の色好きだぞ!」
「うん、じゃぁ、お互いに好きな髪の色しててよかった。友達になれるよね?」
 にこっ。
 ん?ちょっと照れたような顔で頷くマルヴェル。かわいすぎるぅぅぅっ!悶えっ!
「リザークは将来何になるんだ?」
 おう、考えてもみなかったな。死なないようにすることしか考えてないし。
「うーん、まだわかんない」
 7歳になったら学校の初等部が始る。11歳からは、中等部が始る。
 高等部は文官コース、騎士コース、総合コースに分かれる。中等部ではある程度その基礎を学ぶ。