転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 もし、こんな素人に負けたら……ブランカさんのプライド傷つけちゃうんじゃないだろうか……。
 なんて考えながら相手と向き合ってたら、いつもの兄との特訓の癖で、体が勝手にうごいちゃいました。
 ばーんと振り下ろされた剣をぱぁーんと思いっきりはじく。
 あ、飛んでった。
 兄4なら軽く受け止めて終わりだろうに、1Aの子の剣は飛んで行ってしまった……。
 これ、もしかして……。
「勝者、白!」
 白って、私、ですよねぇ……。
 やべぇ。さすがに、なんか、目立ってる。
 次準決勝だし。
■54
「おおー、兄弟対決だっ」
 って、盛り上がってる。
「お兄様、代表選手だったんですか?言わなかったじゃないですかっ!」
 なんと、準決勝の相手は兄7だった。
「んー、まぁ、言うほどでもないかと思って?そんなことより、リズ、本気出すよね?」
 うわ、兄の目が怖い。
「わざと負けたりしたら怒るからね?僕には嫌というほどリズの力は分かってるんだから」
 ひゃいっ。
 兄7と私の対戦成績は、ほぼ互角。
 ほぼ互角ってことは……。こう、本気出してるふりして、わざと負けるなんてそんな器用なことができるような相手じゃないってこと。
 っていうか、ほぼ互角だけど、兄7はついさっき、4年生との激戦を制して準決勝に進んだところ。一方私はといえば……。
 不戦敗だったり、初心者相手に一振りで勝負が決まったり、全く疲れていない。
 どう考えても、私が有利じゃない?
「くっ、だめだ。もう、握力が……」
 兄が力尽きた。
 うえーい。
「まぁ、お兄様は優しいのでかわいい弟を傷つけられなかったんですわね」
「2回戦3回戦と強敵相手に戦って体力の限界だったんですわ」
 とかなんとか言われて同情される兄7。
「しかし、どこまで運がいいんだ、あの1F。出来損ない八男」
「兄たちは何かの能力に秀でているが、もしかして、あの八男、運の良さに人一倍秀でているというのか?」
「かもしれない。だが、本当に運が良ければFクラスになるだろうか?」
「1回戦で4Cとの対戦カード引き当てるだろうか?」
「うーん、わからん」
 決勝戦に進んでしまいました。いやいや、さすがに優勝とかないでしょう。
 どうしようか。えへ。
 え?もう十分目立ったから、この際勝っても負けても一緒だ?