転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

「で、でも、私がもっと、もっと頑張ってれば……最下位にはならなかった、かも……」
 ヒックヒックと嗚咽を漏らしながらなくクラスメイト。涙を袖口でぬぐおうと上げた手の平には、つぶれた手の豆が真っ赤になって痛々しいのが見えた。
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 あれは痛そうだ。だけれど、包帯を巻いた手で剣を振る姿は美しさにかけると、痛いのを我慢して剣を握っていたのだろう。
 フレッドが悔しそうに奥歯を強くかみしめる。
 ああ、黒い煙が。フレッドの口から漏れた言葉が耳に届く。
「腐ってる……絶対に、許さない」
 へ?
 いや、今は何もオタクっぽい腐ったこと考えてないですよっ。許さないって、ひぃ、誰をですか!
 私じゃないよね?
 っていうか、第二王子(発狂死)に許さないなんて言わせるなんて、死にますよ!今すぐ逃げたほうがいいですよ、誰かわかりませんが……。
「皆さん頑張りましたよ!」 ソフィア先生がパンパンと両手を打ち鳴らした。
「3種目までが終わり、1年生は、Sクラスが18点で1位、2位は16点でAクラス。3位が13点のBクラスで、4位が12点のCクラス」
 なんだか気が付けば、上のクラスから順に1位2位3位4位になってる。
「それから、5位は11点の我がFクラスです。なんと、Dクラスとは4点差、Eクラスとは6点も差がついてます!」
 ソフィア先生が、型の選手たちの落ち込んだ気持ちを回復させようと、務めて明るい声を出した。
「つまり、最後の種目で、Eクラスが1回戦を勝たない限り、最下位脱出は難しいでしょう」
 クラスメイトの顔が明るくなった。
 Eクラスに勝ったも同然ということを告げられたのだ。
「だけど、Eクラスが1回戦を勝ったらどうなるんだ?」
 おい、マージ、水をさすなぁ!
 一気に、せっかく盛り上がったクラスメイトが沈む。
「ぼ、僕も1回戦に勝てば、Eクラスに負けることはないよっ」
 にこっとほほ笑んだ。
 そのとたん、クラスメイトの顔はが心配そうな表情になる。
「リザーク、無理はするなよ」
「そうよ。例えリザークが負けたって、リザークが頑張ってくれたの、知ってるからね?」
「そうですわ。相手は4Cのブランカだったんですもの」
 戦う前から、負けた想定で慰めモードだ。
 それも、全力で。