転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

「あ、はは、やだなぁ、マージ、呪いなんて、本当にあると、思ってるの?」
 呪術師は普通にいるかというと、国内でも数名。そして実際に呪いをかけることはよほどのことがない。つまり、世間一般ではおとぎ話のような扱いだよね?あ、でもマージは辺境伯だし、呪術師とのつながりもあったりするのかな……。
「あるわけねーだろ?呪いで人が弱くなるなら、戦争なんて必要ねぇじゃん。相手の国に呪いかけて弱くじちゃえばいいんだからさ!」
「あ、はは、本当だ、そうだね」
 いや。呪術師少ないし、1回呪いかけるだけですごく大変で、国単位で呪いをかけるなんて無理なんだよ……ってことくらい、考えたら分かるよね。
 ……ちなみに、王族は呪術返してきな呪いをかけてもらっていたりするから、暗殺とかそれ系の呪いをかけようと思ってもはじかれるそうな……。
 フレッドなら知ってるよなぁ。
「点数が発表されるよ!」
 Sクラスは、5点4点3点4点5点。
「お、あのレベルでそんないい点数がでるなら、サーシャは満点かもしれないぞ?」
 マージが嬉しそうな声を上げる。
「あのレベル?Sクラスの見てなかった」
 サーシャの剣に目を奪われ、他の人がどんな感じだったのか見てなかった。
 Dクラス、3点2点3点2点3点。Eクラス、4点3点3点4点3点。
「出ろ、満点!」
 マージが両手を組んで、祈るような恰好をする。
■48
「Fクラス、3点4点3点2点5点」
 は?
「どー言うことだよ、ありえねーだろっ」
 マージが叫んだ。
 気持ちは同じだ。
 だが、生徒たちの顔を見渡すと、おかしい、変だ、ありえないという顔をしている人間は少ない。
「うわー、もっと点数出ると思ったのになぁ」
「がんばったのに、サーシャ。でも1人5点つけてくれたね!」
 と、クラスメイトからさえ納得できないという声は上がってない。
 分からない……のだ。
 レンガの数だとか、磨いた剣の本数だとか、はっきりと数字で示されない評価は……分からないものには分からないのだ。
 フィギュアスケートなど、審査員による点数が付く競技。
 綺麗だなと思った選手が優勝するとは限らない。すごいと思った選手の点数が伸びるとは限らない。
 採点基準……きっと、それが、私には分からないだけだ……。
 バクバクと、言い知れぬ感情が溢れそうになる自分自身に言い聞かせる。