転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 うう、なんだよぉ。感動すんじゃないか。
「では、準備の発表です。1位は……F」
 当然と言えば当然なんだけど、やっぱりはっきり聞くと嬉しい。
「やったぜ!」
 マージたち打撃班と補給班が帰ってきた。
「すごいよ、すごい、本当にすごかった!」
 駆け寄って、補給班の子の肩をポンポンと叩く。
 いつの間にあんなに特訓したんだろう。マージたち打撃班は途中休みがあるけど、補給班は30分感休みなくペースを乱さずにレンガを運んだりつんだり……。
「えへ、ありがとう、ありがとう……」
 ぐずっと、補給班の目に涙がこぼれる。
「ばっか、泣くなよ、まだ俺たち、剣磨きとか本番が待ってるんだぞ……」
 と、慰めている子の目にも涙が。
 うん、うん。うん、うん、うん。
 本当によかったね。私、居残りせずに毎日帰ってたから……どれだけみんなが頑張っていたのかわからないけど、頑張ったっていうのが、練習なんて見なくてもその涙一つで分かるよ。
「リザーク、俺も頑張ったろ?」
 マージがにかっと笑う。
 あー、はいはい。これ、褒めて、褒めてって顔だね。
■46
「最後のよかったよ」
 にっこりわらって親指を立てる。
「だろ、みんなでレンガ割りの数対決するやつ、かっこよかったろ?」
 まぁ、それも嫌いじゃないよ。ほかのクラスに実力を見せつけるにはいい演出だった。
「最後、笛が鳴ったところで、11個割にチャレンジしなかったところ、最高によかった!」
 と、にやっと笑ってやる。
「え?」
 フレッドもにやりと笑っている。
「そうだな。マージにしては上出来だ!」
「え?なに?俺の良かったところって、そこなの?なんで?俺、かっこよくなかった?」
 マージが眉尻を下げた。
 ふふふふ。ふふふ。
 フレッドと顔を見合わせ、そして、二人でマージの背中をばんっと叩く。
「「かっこよかったよ、マージ!」」
 マージの表情がぱぁっと明るくなる。
 それから、両手を上げて手のひらをマージに向ける。
 他のクラスメイトも一緒に並んだ。
「やった」
 マージが嬉しそうに手を叩いて行った。
 やばい、これ、気持ちいいかも。ちょっとホームラン打った選手を出迎えるチームメイトの気持ちわかったかも。
 と、喜び合っている間に、他の競技が色々と行われていた。
 次は、補給班の剣磨きだ。
「行ってくるっ!」