転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 成績の良しあしだけが人の価値じゃないって知ってるんだ、兄6は。自分自身が、成績に関係ない無駄だと言われる雑草の研究したりしてるから。
 でも、その雑草だと思われるものが、実は漢方に使われてる薬だったり、ハーブだとか香辛料だったり、人の生活を向上させるものの可能性もあるから無駄な研究じゃないですよねって言ったら兄6に思いっきり抱きしめられたことがあったっけ。
 どんな知識が何に役に立つか分からない、人が馬鹿にするようなことが、実はとても大切なこともある。だから、自分の……一般的な世間の基準だけで人の優劣は決められないんだよって。
 兄たちはみな知ってるはずだし。
■42
「うごーっ、感動だぜっ!」
 マージが泣いた。
「そうか、我が剣は主に捧げるっていうやつだなっ!4Fの人間は、すでに4Sという主を見つけることができたのかっ!」
 い?
「それはどうかな?」
 フレッドが困った顔をする。
「そうだよな。高等部に進学するだけが人生じゃないもんな。高等部に進学して騎士になった者に仕えるっていうのを夢にしたっていいんだもんなっ!信用できる主を持てるなんて、人生この上ない幸せだぞっ!」
 と、袖口で涙をぬぐいながらマージが熱弁する。
「そ、そうだよ、たとえ進学が叶わなくたって、僕たちの人生は終わるわけじゃない」
 ん?あれ?クラスメイトの目がキラキラし始めたよ。
「そうですね。逆境に陥ろうとも、腐らず勉学に励む人間と、ある程度の位置で満足して努力を怠り他の物をさげすむ人間、求められるのはどちらでしょう」
 フレッドの言葉にさらに目の輝きが増す。
 いやぁ、なんていうの?フレッドって、やっぱり有能だよね。人の心を掌握すると言うか洗脳するというか、なんか、こう、やる気を引き出す言葉上手に使うことができるあたり、上に立つ人間向きというか……。カリスマ的だよねぇ。
 ピィーーっと高い笛の音が鳴り響いた。
 コートの中の選手たちが動きを止め、整列していく。
 模擬剣を取られた選手はすでにコート外だ。
 残っていた選手はわずか20名ほど。
 Sクラスは7名残っている。Aクラスが5名。Bクラスが2名。Dクラスが1名EとFはゼロ。
「さすがSクラスは圧勝かな」
 と、誰がの言葉に、フレッドがつぶやいた。
「すごいな、Cクラス」
 うんと、頷く。
「かっこいいな、Cクラス」