転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 1回戦勝てばいいんです。それだけで1年としては普通よりちょっといい成績なので。クラスの足を引っ張らなければ大丈夫なのです。
 目だったりしないです。
 
 昼夜問わず……家にいるときは、男んときも女んときも剣の練習に励む。あと5日。やるしかない。
 兄たちは弱いと言っているが、4年生だ。女子でラッキー、Cクラスでラッキーとはいえ、3学年の差はきっと想像以上にある。油断できない。
 もし、女子なのに兄4くらいのパワーの持ち主だったら……。
 カッ。
「っつ……」
 ずっと剣をいなして攻撃につなげる練習をしているのに、うまくできない。
 あの時1度できただけで。あれからは一度だって成功しない。
 頭には剣道の達人の映像が焼き付いているのに。何が違うのか。どうしてできないのか。相手が攻撃を仕掛けようとするその瞬間、方向を変えるように打ち込む。
「あ……」
 いなす、いなすと考えすぎて、打ち込むという気持ちはなかったけど……。
 攻撃につなげようとするならば、打ち込み?つまり、相手へ踏み込む。踏み込み方が足りなかった?
 勢いも踏み込みも足りなければ、兄1や兄4に通じるわけはない。
 もっと、気持ちを前に。
 ……はい。できません。いろいろ考えてやってみたものの……。
 やっぱり駄目かも。1回戦、勝てるかなぁ……。

 クラス対抗戦当日。
「うわー」
 グラウンドには、東に4年、北に3年、西に2年、南に1年の席が配置されている。それぞれの協議になったら選手がグラウンドに出て戦うようだ。
■39
 ちょっとした運動会だ!
 制服姿に、クラスを現すリボンやタイと同じ色のハチマキやらスカーフやらをおそろいで身に着けているクラスもある。
 ……まじ、運動会みたい。
 4年生になるとSクラスは騎士が身に着けるようなおそろいのクラスカラーのマントを羽織っている。
「かっこいいなぁ」
 マージがうらやましそうに見てる。
「いいですわねぇ。騎士みたいで……」
 サーシャもうらやましそうに見ていた。
 2年生も3年生も4年生も、DクラスやEクラスやFクラスになるとクラスカラーを現すものを身につけたりはしていない。誇れるような色ではないということだろうか。
「こんなものしか用意できませんでしたが……あの、つけたくないならば、無理にとは……」