転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 ふーん、降参の合図なんてあるんだ。初めて知った。
 え?なんで、初めて知るんだろう。剣の訓練は4歳から11歳になるまで兄たちとしてるのに……。降参なんて誰もしないから?させないから?
 ……うち、何気にスパルタなのでは……。
「いいの?フレッド、1回戦負けになっちゃうよ?」
 フレッドがいいと言うならば。
 フレッドの体から黒い煙が見える……。あかん、本当は1回戦勝たないと駄目な感じだ。
「このトーナメント表、おかしいね。例年4年生の剣術上位クラスがシードされるはずなんだけど……」
「あ、やっぱりフレッドもおかしいって思ったんだ!だよねぇ。Sクラスってだけで1年なのにシードされるなんてさっ!」
 フレッドが小さくつぶやく。
「何の意図があって、こんな操作を……」
 糸?捜査?
 なんて言ったのか、よく聞き取れなかった。
「まぁ、そう怒るなって。1Sも、せっかくシードしてもらったって、2回戦は4Cと当たるんだぜ」
「マージ、それ、ボクが負けること決定で話をしてない?」
 むぅ。
「あはは、わりぃわりぃ。リザーク。まぁ、ほら、相手が相手だし、俺が出場しても勝つ自信はねぇから。ま、どちらにしてもシードしてもらってもざまぁねぇよな。まだ、1Aのが2回戦まで突破する可能性あるんじゃねぇの?」
 確かに、1Aは対戦相手に恵まれてる。1回戦は1Dだし、2回戦は、2Fか2Cだ。
 うー、悔しいなぁ。
「リザーク、そんな落ち込まなくてもいいですよ」
 フレッドが私の頭をなで始めた。
 いやいや、落ち込んでない。悔しがってるんだよ。
「そうだよ、リザーク。無学年トーナメントだけが勝負じゃないからな。トータルで優勝すればいいんだから!」
 息の落ち着いた補給班の子がにこっと笑った。
「そうね。私も頑張りますわ。リザーク、フレッド殿下や私の剣の型を見たら、学年1位を確信しますわよ」
「へー、それは見るのが楽しみだ」
 どんな美しい型なんだろうか。
 そういえば、サーシャの手は長年剣を握っていた手だった気がする。
「俺たち打撃班だって、スゲーぞ」
 マージが鼻の下をこすった。
 うん。練習用レンガの使用が禁止になるくらい割りまくってるもんね。
「補給班も、頑張りますっ」
 クラスのみんなが、なぜか私を励ましモードだ。