転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 いやいや、力の調整なんて器用なことを兄1が求めるから、動きが不自然すぎて……。
「お兄様、大丈夫ですわよ。いつも通りで」
 苦笑。兄4はいつも急所は外して狙ってくる。ガツッと当たってもその瞬間剣を止めることができる。まぁ、あざくらいはできるけど、骨が折れるようなことはない。……から、たぶん大丈夫。っていうか、骨折れたらトーナメント出れませんよね?……どうなるんだろうか?
「そうか?じゃぁ、行くぞ」
 兄4が構える。
 パワーはあるが、兄1ほど早くはない。兄1よりも単調な動き。――よく、見える。
 力がどっち向きにかけられているか。どのあたりをどのタイミングで力の流れ、相手のうち方向を変えるように剣を当てる……。
 そう、相手が剣を振り下ろしてからではない、違う、攻撃しようとする力を込めたその瞬間に迎え撃つのではない、こちらから打って出る!
 兄4が動く、そのタイミングで……。
「はぁっ!」
 木刀を兄の木刀にカチリと当てた。
 腕にしびれは走らない。兄4は、あらぬ方向に力を流され、バランスを失った。今だ!
 兄の後ろに回り、剣先を兄4に向ける。
「勝負、あり!すごいぞ、リザァァァ!」
 お父様が、書類をまき散らしてかけてきた。
 ばっと抱き上げられる。
 いやいや、ずっと見てたのかい。仕事、徹夜になっちゃいますよ?
「すごいじゃないかリザ」
「アレフお兄様、あの、運がよかったのです。お兄様がよろけたので」
 やっと1回うまくできただけだ。
 謎のマスク男……は、兄1のスピードと兄4のパワーを持ち合わせた人間。兄1の剣をうまくいなせなければ全く駄目だ。
「あの、お兄様明日も特訓していただけますか?」
「もちろんだとも!リザ!明日は俺が先な!先に特訓してやるからな!」
 兄4が、笑っている。
「はい、ありがとうございます」
「私も明日も付き合うよ」
 兄1も笑っている。
「私も、明日からもちゃんと見守るからな!」
 いや、お父様は仕事してください。
 ……あ、執事が来た。お父様の仕事の補佐もする人です。青筋立てながら書類拾ってます。
 知りません。私のせいじゃありません。
 はひ。次の日から、朝のトレーニング、学校で授業で訓練、家に帰ってから稽古になろうとは……その時の私は……想像できたよっ。

 というわけで、軽く、朝のトレーニングを終え、学校へ。