だって、令嬢だと、悪役令嬢になる。18で死ぬしかないんだから。ボンパーナ家に令嬢は生まれなかったことにしてくれよっ!運命改変ってやつよ!これ以上ないまとめて死亡フラグ回避じゃない?
「おとーしゃま、リザね、ずっとおとーしゃまと一緒にいたいのよ。うんと、女の子はお嫁に行かないと駄目なんでしょ?そんなのいやなのよ。ずっとおとーしゃまといっしょにいたいのよ」
 あざとく、あざとく、泣きそうな顔でお父様の顔を見る。
「り、り、リザベーナァァァ。嫁になどやらぬ。絶対やらぬぞぉ!」
 お父様、号泣。
 あの、まぁ、いいから、話を聞け。
「それからね、お兄しゃまのように、おとーしゃまのお仕事手伝いたいのよ。だから、リザもお兄しゃまと一緒がいいの」
 いくらお父様が嫁にはやらんっていってもな、王家から来るんだよっ。
 断れない第一王子(獄中死フラグ)との婚約話とか、第二王子(発狂死フラグ)との婚約話とかがっ!
「そうか、そうか。リザはそんなにお父様のことが大好きなんだな。よし、分かった!家族会議だ!」
 というわけで、朝食の時間に家族会議が始まりました。
■2
「そんなわけでリザが男になりたいと言うのだが、どうしたらよいだろう」
 ご飯うまうま。
 いやぁ、この世界のご飯はおいしいのですよ。前世知識で食改革みたいな展開はないです。はい。
 お父様が、私の言葉を皆に伝える。
「父上、リザが望むままにかなえて差し上げるのが一番ですよ」
 15歳長男。
「跡取りなどが問題になることはないでしょう。リザの思うままに」
 13歳双子の次男の言う通りです。男児が公爵家を継ぐという問題も、兄がたくさんいるので私が令息になってももめません。
「そうか、リザは面白いことを考えるね」
 13歳双子の三男。
「名前を考えないといけないな。リザベーナでは女名だし」
 11歳四男。
「誕生日会の衣裳なども作りなおしになるね。一緒に選ぼう」
 10歳五男。
「リザ、一緒に勉強してお父様の役にたとうね!」
 7歳六男。
「僕にも弟ができるんだ!」
 5歳七男。
 誰も反対しないのかよっ!いいのか?そんなに簡単で?
「リザベーナ」
 最期に母が真剣な顔を向ける。
 反対?やばい。お母様が反対すれば、全員の意見は覆る。なぜなら、この家の正義は母なのだ。
「リザーク、リザークという名前はどうかしら?」