転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

「話は後にしてくださいね。剣術大会の選手を今は決める大事な時間です。では、今から名前を呼んだ人はこちらに」
 うおっ。
 そうだったぁ。選手って、何人?最後までたってたのって、5人だけじゃん。あ、そうだ。
「あああ、もう体力のげんかいだぁ」
 尻もちをつく。
 選手が4人なら、これで、私は立っていられない人になって、選手の座を逃れられるはず。
「……リザーク……?」
 フレッドが白い眼をして僕を見た後、慌てて座り込んだ。
「はぁー、はぁー、僕も、もう限界だったんですよ」
 なんか、嘘くせぇ。
「だらしねぇな、お前ら。俺は、まだあと500回は振れるぜ!」
 と、木刀をぶんっと振って見せるマージ。頑張ってね。クラス対抗剣術大会。
 ソフィア先生が7人の名前を呼んだ。その一人は、最後まで立っていた女子。残りの6人は、座り込んでいた男子。
 あれ?
「なんでだーっ!俺、最後まで残ってたのにっ!」
 マージが頭を抱えた。
「では、以上の7名が素振り部門の選手になります。指定の時間内一定のペースで素振りを続けられるか競いあいます。あなたたちには多少キツイ時間設定かもしれませんが、必ず最後までペースを保ちながら振り続けることができると信じています」
「素振り部門?」
 マージの疑問に先生が答えた。
「実際に剣の腕を競うようになるのは3年生からです。それまでは、まだ剣を持ったこともない生徒もいますから、剣術大会と言ってもいろいろな種目で競い合います。では次は剣の型部門の選手。サーシャさん」
 名前を呼ばれたサーシャが立ち上がった。まだ体力が回復していないのか、ふらりと足元がふらつく。
「おい、大丈夫か?」
 思わず駆け寄り肩を貸す。
「リ、リザークっ。だ、大丈夫だっ」
 突き放された。
 えー、なんでぇ?って、ああ、そうか。ついうっかり駆け寄っちゃったけども。私、男じゃん。女子って思春期真っ盛りだし、男子に触られるのだっていやとかあったりするよね?
 ……うん、日本人小学校高学年の時の私の記憶がそう言っている。ちょっと男子と触れあればすぐにクラス中で「うわー、できてるっ」とか噂されたり、マイナスしかない……。
「ごめん、サーシャ……」
 すすすと、後ずさる。
 すると、サーシャがしゅんッと叱られた犬みたいな表情をした。
「あ、違う、その……」