転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 と、どこぞの男爵の子が言った。
「予算が足りないのでしょうか?でしたら、父に頼んで寄付金を……」
 と、国一番の商人の娘が口を押える。
 いやいや、そんなバカな。予算が足りないなんてありえないでしょう。王族も通うのに……。
「はい、みなさん、これがFクラスの現実です」
 ソフィア先生がにこっと笑った。……いや、なんか笑ってるけど目が笑ってない……。
「この学校は貴族も平民も平等に扱うのは徹底していますが……、その分実力主義も徹底されています」
 マージが叫んだ。
「実力なら俺、あるぞ!ちょっと失敗しただけでっ!」
「わ、私も、マナーは確かに勉強不足でしたが、他の教科でしたら負けません」
 ソフィア先生が、マージと、それに続いて声を上げたサーシャさんを手で制した。
「高等部は狭き門です。この学校は、その高等部への進学を目指す子供たちが国中から集まっています」
 へ?そうなの?
 それにしては、なんとうか、クラス分けのテスト、めっちゃ簡単だったんだけど……。
 入学するのは簡単なのかな?卒業するのが難しいっていう……。うん、きっとそうだ。
 そもそも、入学テストなんて受けた記憶はない。いや、貴族だからテスト免除なんだっけ。平民は入学テストがあるそうな。……もしや、Sクラスってテストをパスした平民だらけだったりして?いや、そんなことないよね?兄たち、全員Sクラスだったもん。得意不得意はそれなりにあっても基本イケメン文武両道家柄も性格もよしな攻略対象ですからね……。
■14
 貴族はプライドが高いから平民に負けないように家庭教師バンバンつけてるんだろうし、自信がなければこの学校に入学しなくてもいいわけだし……。あっれぇ?
 なんで、王子と公爵令息と辺境伯令息が並んで立ってるんだろうねぇ……。
 今、目の前に広がっている草原……ここが訓練場だと言われて、貴族の何人かは馬鹿にするなと怒り心頭のはず?
 でもって、別のクラスの人たちに「Fクラスは草でも食ってろ!」とか言われてさげすまれ……。
「ちょっとした失敗や、勉強不足……それが免罪符になるような学校ではありません。高等部へ進む人間は、国の要人になりうる人々です」
 ソフィア先生の言葉にごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
「ちょっとした警護の失敗で陛下の身に何かあってもいいと思いますか?」
 マージが下を向いた。