転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 涙目になりそうなころ、すくっと一人の女生徒が立ち上がった。
 確か、歴史と数学満点という才女だ。
「サーシャですわ。皆さまこれからよろしくお願いいたします」
 ぱっ、ぱっ、ぱっと、遠慮気味に私たちの手を叩いて並んだ。
 一瞬触れたサーシャの手の平は硬かった。鍛えてる?
「あの、私も、お願いしますっ」
 王子とお近づきになれる大チャンスだ。サーシャの行動をきっかけに、我も我もと女生徒たちが並んだ。
 もちろん、騎士みたいでかっこいい手を鳴らす行為にあこがれのある男子生徒もレディーファーストを守った後、楽しそうに参加した。
「ふふふ、早速1週間後にはクラス対抗剣術大会がありますから。チームを組むために今から剣術の授業です!」
 ソフィア先生が嬉しそうに腕を突き上げる。
「「「おーっ!」」」
 ノリがいいな、このクラス……。
「じゃ、第7訓練場に移動します」

△△数学教師視点△△


■13
「第7訓練場って、ここだよな?」
 マージが不安そうな声を出す。
「ええ、確かにここでしょうね。校舎に近い場所から、第1、第2、第3……と配置されていますから」
 フレッドが冷静に答えた。
 第一訓練場は広い上に、専用の更衣室やシャワールームに屋内訓練場がついていた。ティールームもあるし、専属のスタッフまで配置されている。
 流石、学年順位トップのSクラスが使うにふさわしい訓練所だ。
 第二訓練所は、ティールームと専属スタッフはいないものの、屋内外訓練場と更衣室とシャワールーム完備。
 第三訓練場も広く、更衣室などの建物はないものの、屋内訓練場もあった。
 第四訓練場は、やや狭くなっていたが、訓練場の一部には雨をよけるための屋根付き訓練場もあった。
 第五訓練場は、やや狭いものの、ああ訓練場だなぁと分かるだけの柵などがあった。
 第六訓練場は、やや狭いものの、訓練できるだけの均された土地があった。
 そして、学年順位最下位であるFクラスが使う第七訓練場は……。
 人が動いているだろう場所は土が見えているものの、それ例外は、草。
 見事に、なんか、草原とか野原とか背の低い雑草がもしゃもしゃと。ああ、四葉のクローバーが探せそうだ。春にはタンポポで一面黄色い絨毯みたいになる?……っていう感じでね。言われなきゃ訓練場なんて思わない。
「うわー、なんだよ、これ。うちの庭よりひでーな」