転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります

 しかも、王侯貴族も平民も、平等に能力で分ける……。うん。平民を生まれ持った地位で馬鹿にするんじゃなくて、平民にバカにされないように頑張れって指導方針で……優秀な人間に育て上げるスパルタ中等部。そもそも、実力に自信がない人間は別の中等部に通えばいいという逃げ道付き。
 ゲームを思い出す。
 第二王子は成績優秀だった。高等部で首席だったはずなので、中等部でもSクラス間違いないね。
 んじゃ、私は底辺のFクラスになればいいのでーす。
■8
 入学式が終わるとさっそくクラス分けのテスト。
「いいこと、がんばるのよ。あなたならできる」
 と、余計なプレッシャーで息子を追い込む貴族を横目に、兄に手を振る。
 初めから頑張らない宣言してある私は気楽なものである。
「優秀な人間だと思われれ王宮勤めになったら家でお父様やお兄様たちのお仕事手伝えなくなるからいやです。テストで手を抜いてもいいですよね?」
 と、あざとい幼女から、順調にあざとい少女に育った私。
 太陽が沈んでから娘姿でおとうしゃまとおにいしゃまに訴えた。
 おっと、失礼。お父様とお兄様ってもう発音できます。
「もちろんだとも、リザ。勉強しすぎて目の下にクマを作ったり、剣の訓練でアザを作ったりする必要なんてないんだよぉ」
 あのぉ、自宅の特訓でさんざん全身筋肉痛だの、睡眠不足だの、打ち身ねんざ、もろもろやってますけど……父と兄の愛は重く……げふげふ。
「もし、学校でリザのことを馬鹿にする人間がいたら、僕たちが守るから」
 兄6と7がこぶしを握る。
「あー、いえ、お兄様、守っていただかなくても大丈夫ですから……」
 それ、逆に兄が卒業してから風当たりが強くなるとか、影で陰湿に噂されるとか……。
 さらには、ヒロインが兄ルートに乗ったときの邪魔者としてせっかく悪役令嬢辞めたって言うのに、流れ弾が飛んできてはたまらない……。
「むしろ、どうしようもない弟なんでと冷たく接してもらったほうが、その……」
 泣いたー、兄6と7が泣いた。
 だめ、泣くの駄目。
「つ、冷たくしなくてもいいんですが、その、兄にかばってもらわないと何にもできないのかと、余計にその、バカにされちゃうと思うので、えーっと、守ってもらわなくてもいいです」
 兄1が、泣き出した兄6の頭をなでなで。