ああ、エイト君だ。
私のところに……いいえ、いいえ、殿下のところへ歩いてくる。
どれくらいぶりに顔を見るだろう。
また成長したね。はじめて会った時は私より小さくて……。
天使のような顔でかわいらしくお姉様って。
「これは確かに、婚約締結書で間違いないですよね?」
エイト君から手渡された紙の内容を殿下が確認する。
「ああ、そうだ。エイト。もう不要な品だ」
殿下が婚約締結書を破ろうとする仕草を見せると、エイト君が手に持ったマッチをしゅっとすり、火をつける。
「跡形もなく、このようなおぞましい物は消し去りましょう」
エイト君はそう言うと、殿下の持つ婚約締結書に火を付けた。ジワリと燃え出し、次第にわっと勢いを増して燃え始めた。
「はっ。消し炭にして、完全にこの世から消すのか。それはいい」
殿下がニヤリと笑い、火が広がりだした文書を地面に落とす。
くるくると、紙が生き物のように丸まりながら燃え、そして黒い燃えカスが残り火が消えた。
「さぁ、これでお姉様は自由の身ですね」
エイト君がにっこり笑って……私を、見た。
「ああ、もうお姉様ではありませんね……」
え?
「兄上と結婚する予定もなくなったので……お姉様と呼ばなくてもいいんだ」
エイト君が私に手を差し出す。
「エ、エイト君?」
兄上って、まさか、殿下のこと?
◆
周りの声がやっと耳に入ってきた。
「第二王子のエイトリア様がどうして?」
「リリアーナ様はどうなってしまうんだ?」
だ、だ、第二王子?
「リリアーナ……あの、これ……父にも、宰相にも許可は取ってきたんだ」
エイト君が懐から取り出した紙を広げて私に見せる。
父って、陛下で、宰相って私のお父さんだよね。
許可って何を?
私を捕縛して罪を償わせるとでもいうの?
目の前に広げられた紙は……新しい婚約締結書だ。
陛下のサインと、父のサインがすでに入っている。
それから……、エイト君の名前が書かれている。
エイト君の婚約締結書?
エイト君……いいえ、第二王子殿下はどなたと婚約を……。
ポロリと涙が一筋落ちた。
サラが、ドーンの後ろから姿を現した。
ペンとインクを乗せた盆を持っている。
「さぁ、リリアーナ様、サインを」
「サイン?」
近くのテーブルに、紙が置かれ、サラにペンを手に持たされる。
私のところに……いいえ、いいえ、殿下のところへ歩いてくる。
どれくらいぶりに顔を見るだろう。
また成長したね。はじめて会った時は私より小さくて……。
天使のような顔でかわいらしくお姉様って。
「これは確かに、婚約締結書で間違いないですよね?」
エイト君から手渡された紙の内容を殿下が確認する。
「ああ、そうだ。エイト。もう不要な品だ」
殿下が婚約締結書を破ろうとする仕草を見せると、エイト君が手に持ったマッチをしゅっとすり、火をつける。
「跡形もなく、このようなおぞましい物は消し去りましょう」
エイト君はそう言うと、殿下の持つ婚約締結書に火を付けた。ジワリと燃え出し、次第にわっと勢いを増して燃え始めた。
「はっ。消し炭にして、完全にこの世から消すのか。それはいい」
殿下がニヤリと笑い、火が広がりだした文書を地面に落とす。
くるくると、紙が生き物のように丸まりながら燃え、そして黒い燃えカスが残り火が消えた。
「さぁ、これでお姉様は自由の身ですね」
エイト君がにっこり笑って……私を、見た。
「ああ、もうお姉様ではありませんね……」
え?
「兄上と結婚する予定もなくなったので……お姉様と呼ばなくてもいいんだ」
エイト君が私に手を差し出す。
「エ、エイト君?」
兄上って、まさか、殿下のこと?
◆
周りの声がやっと耳に入ってきた。
「第二王子のエイトリア様がどうして?」
「リリアーナ様はどうなってしまうんだ?」
だ、だ、第二王子?
「リリアーナ……あの、これ……父にも、宰相にも許可は取ってきたんだ」
エイト君が懐から取り出した紙を広げて私に見せる。
父って、陛下で、宰相って私のお父さんだよね。
許可って何を?
私を捕縛して罪を償わせるとでもいうの?
目の前に広げられた紙は……新しい婚約締結書だ。
陛下のサインと、父のサインがすでに入っている。
それから……、エイト君の名前が書かれている。
エイト君の婚約締結書?
エイト君……いいえ、第二王子殿下はどなたと婚約を……。
ポロリと涙が一筋落ちた。
サラが、ドーンの後ろから姿を現した。
ペンとインクを乗せた盆を持っている。
「さぁ、リリアーナ様、サインを」
「サイン?」
近くのテーブルに、紙が置かれ、サラにペンを手に持たされる。


