貧乏国の悪役令嬢、金儲けに必死になってたら婚約破棄されました【短編】

「リアーナ、言い逃れはできないぞ?きちんと、裏は取ってある」
 裏?
「ここに書かれていることが実際に起きたか、その場にいたであろう人間に事実確認している」
 え?
 事実確認?
 だから、全然、全く、嫌がらせなんてしてないんですけど、何故、事実として確認がとれるのか……。
 誰に尋ねたというのか……。
 殿下とミリーの後ろに、いつの間にか何人かの生徒が立っている。
 ああ、一人は騎士団長の息子。
 もう一人は、宰相の息子。
 それから他に数人の男子生徒。
 証人って、あの人たちかな。
 いつも、殿下と一緒にいるお友達ですよね。友達……なら、そうかもなぁとか、適当に相槌うっちゃうことない?
 ……やだ。ねつ造怖い。
 確認をとって事実だってそこまでねつ造されるの怖い。
 ……国がそれで動くのって大問題じゃん。
 陛下に「信頼できる部下」と「居心地の良い友達」といろいろ違いがあるって殿下に教えたか確認しなくちゃ。
 って、いや、もう私は殿下とは関係のない立場になるのですから。確認なんて必要ないですね。
 はぁーと深くため息をつく。
「ふんっ、観念したか!」
 私がため息をついたのを何を勘違いしたのか殿下が嬉しそうな声を出した。
「では、ここにいる皆にも、お前の罪を知ってもらおうか」
 殿下が『ミリーの日記』を開いた。
 だから、罪って、まあーーーーーったく身に覚えがないです。
 ねつ造ですよ。
『4月15日。今日もリリアーナ様は、お友達の方々と放課後、毎日のように優雅にお茶を楽しんでいらっしゃいます』
 殿下が日記を読み始める。
 4月?いつの4月だよっ!優雅にお茶を楽しんだりなんてしてないよ。お茶と言えば、お菓子がつきもの。
 これ、お茶に誘った人間負担なんだよ。お茶会ってのは、招いた人が全部用意するんだよ。
 お茶も高価だが、菓子も高価。
 そりゃ親睦を深めるために何度かお茶会はしますが、毎日のようにお茶を楽しむはずないでしょうっ!せいぜい月に1回。あ、他のお友達主催のお茶会に及ばれすることもあるか。

 ん?入学してすぐのときにはかなりお誘いがありましたね。
 もしかして頻繁にお茶してた?
 うん、ここまでは事実です。ねつ造されてません。
 毎日ではなくても毎日のようにと目に映った可能性は否定できない。