「創、まだ絵を描くの?」

絵画教室の終了時間ギリギリになる前に、他の人たちは帰っていってしまう。しかし、創だけはいつもギリギリまで残って一生懸命に絵を描いているのだ。

「少しでも上達したくて……。ヴァイオリンを作っている時みたいに熱中しちゃうんです」

そう笑った創の顔は、まるで無邪気な子どもだった。クラウディアはフッと笑い、創の隣に腰掛ける。

「日本人は真面目としか聞いたことがなかったけど、あなたを見ているとよくわかるわ。あと、日本人って体毛が薄いらしいってネットに書いてあったけど、本当なの?」

クラウディアが質問すると、創は「えっ!?そ、それは……」と真っ赤な顔で目を泳がせる。行動の一つ一つが可愛い。

気持ちが抑えられなかった。クラウディアは創の頬を手で包み、創の赤い唇にそっと口付けた。

「Ti amo(愛してる)」

クラウディアが想いを伝え、二人の恋の物語が始まりを迎えた。