君に依存してもいいですか?

ープロローグー
この本は作者の実際の経験を元に作成しています。
人の恋愛や自分語りが苦手な人は読むのはお辞めください。


二〇二〇年
ある人に惚れた。
幼稚園の幼なじみだった。
今まで好きになってきた人とは比にならないくらい、
周りが引くぐらい、
君のことが大好き。


ー赤黒い嫉妬ー
「○○ちゃん」
「○○ちゃんは?」
日に日に積み重なったその言葉はまるでナイフのよう。
鋭く尖ったその言葉がグサッと心を蝕む。
その言葉を聴くだけで一気にどん底に落とされた気分に
なる。
辛いことがあった時は君のことを考えた。
友達にも
「取らないでね」
と直で言うぐらいになった。
どんどん大きくなるこの気持ち、
どうせ気づいてくれない。
「はぁ」
その一つのため息には
「嫉妬」「尊敬」「依存」
数え切れないほどの思い、
誰にも負けない愛を乗せた。
一時離れようとも思った。
でも君への愛が強すぎてそれは出来なかった。
何よりも辛かった。
「早く告ろう」
と何度思ったかもうわかんなかった。
でも今の友達の関係も好きだった。

体育館にいる時のボールをついた時の振動。
君を見ているとこの世界に二人しか居ないんじゃないかと思う。
ビブスを着た君は滴る汗を手で拭った。
まるで王冠をつけた王子の様だった。
授業が終わり、君が笑いながら話している。
遠くから目を細めて見ていると目が合った。
何故か目尻が熱くなるのを感じて急いでその場を去った


ー黄色い期待ー
最近は「ちょっとぐらい思ってるよね」と自分に言い聞かせたりした。
周りが思うより自分は「単純《シンプル》」でそこまでは「プライド(誇り)」は高くないと思う。
でも誰よりも「愛《尊敬》」は強いと思う。
「負けたぁー!!」
その声とともに誰にもいえない言葉が脳内をグルグル
回っていた。
大富豪は誰とも仲良くできる。けど時には逆になる。
自分のチームに誘えなかったらなんとも言えない虚無感
と悲しさがグッと込み上げてくる。
「大好き」と心の中で呟く。
簡単に出来るおまじないをやったりした。
渡そうと思った手紙は渡せずじまいで破いて捨てる。
授業中も君のたくましくて可愛らしい背中を見つめる
「やっぱり諦めた方がいいかな 」「嫌だ」
自問自答の繰り返しで時間が過ぎる。
分かってる。分かってるから。
君がきっと他に好きな人がいることは。
だからちょっとでいいから「夢」を見させて。


ー水色の夢ー
確か低学年の時に発表があったなぁ
「大人になったら保育園の先生になりたいです!!」
今は変わった夢だ。
今は君の傍にいたい。
何があっても。
よく友達から
「あいつのどこがいいの?!」
って聞かれる。
わかんない。
だってありすぎるから。
君は
優しくて、人の気持ちわかって、足が速いけど
ちょっぴりおバカ。
それに対して
優しくはないし、言いたいことは言うから友達は消えて
足も遅い、勉強も出来ない自分と釣り合うわけないって分かってた。
でも一つだけ言いたい
君への愛は一番だから
五年の時まで何でもなかった君のことを何故好きになったのかも分からない。
遥か昔のように思い出せない。

シャトルラン。
辛いけど、楽しかった。
走り終わった。
吸って吐くだけの呼吸がこんなにも辛かったとは
後半組
君がいる。
髪をなびかせて目を輝かせている。
心臓に一気に血液が流れ込んでどくり、どくり、と
波打つ。
シャトルランの余った時間でシャトルランリレーをした
最初は男子対女子だった
でも君は誘ったらこっちのチームに来てくれた
周りがザワついてるなと思ったが普通に走って次の人に変わる。そこで気づいた。
次の番が君だった。
しっかりハイタッチをするつもりだったけど触れたのはたった薬指の先っぽだけ。
ちょっと悔しかった。


ー一枚のカードー
また大富豪をやった。
隣の席には君がいる。
顔が火照ってないか気にしながら大富豪をやる。
そしてカードを切る時
君の手が触れた。
一瞬だったけどしっかり分かった。
カサカサしてたけど温もりを感じた。
でもそういうことがあった時は必ず思う
「誰かから妬まれたりされてないかな」

誰にも聞けないし
誰にも聞かない

幼稚園が一緒ってだけでこんなにも嬉しいとは。
くせっ毛の髪。スラッとしてる足。優しい声全てが大好き。
もう一度言う




君が大好き。





ーあとがきー
今回は「君に依存してもいいですか?」を読んでいただきありがとうございました。ここからもっと進展出来たらいいです。ありがとうございました。