窓の隙間から
生温い風が頬を撫でてゆく
薄暗い部屋の中積まれた本
物語に没頭

遠くの方で雷鳴を聞きながら


風鈴の音色も灰色
終わらない課題
氷が溶けきってしまった麦茶
鳴らない携帯電話


遠くの方で雷鳴を聞きながら


また本を積んで
少しずつ山は高くなって
また物語に落ちていく
夏が過ぎていくある日の風景