煌々と闇夜に咲く狐面。
ひとつ、ふたつ、みっつ――数えるのを少女はやめた。

多すぎるのだ、数えるのには。

そのとき少年の声が闇夜に虚しく響き渡る。



「どれだけ葬っても全然見つからない……!どこにいるんだ白音……!」


いつになれば終わるんだと少年は絶叫した。それはまるで断末魔のような叫び。


ああ、犠牲者だけが増えていく。


せめてもの弔いにと置いた狐面の瞳が昏く昏く空を見ていた。