月光花の丘
何処にも行けずに
魔女の青年はいつも星を数えて
蝶の異国話を聴き

「いつかここから出ていきたい」

そう夢見ていました
悪夢の旋律
魔女の力が突如覚醒したあの日……
青年はこの丘に逃げ失せて

生きるための、悪夢が始まりました

青年は普通の人間でした
優しい両親
かわいい妹
ーーしかしもうこの手には、ない

孤独はこの上ない地獄
もう届かない日常
明けない
明けない
ーー空を睨み己を怨み

魔女の青年は生きるために

優しさを捨てて

果ての果てに

一体何が待つのでしょうか