二次元に恋するアラサー女子、ついに夢主になるっ!これは夢ですか、現実ですか?!

アズールは詰襟の隊服の一番上のボタンを外した。気を許してくれたのだろうか、私を見る目も以前とは違うように思う。意思の強さは変わらないが、冷たさや鋭さが緩んでいる気がして嬉しくなった。

それに、緩まった首元からわずかに見える鎖骨が部屋の照明と相まって妙に色っぽく感じられる。

これは見ていると目に毒だ。
かっこよすぎてドッドッと鼓動が早くなってしまう。身が持たない。

私は自分の気をそらそうと、ひとつ咳払いをして姿勢を正した。

「ねえ、記憶をなくす前のシャルロットってどんな人だったの?なんでアズールのことを嫌っていたの?」

「そうだな。考えが幼くて、王女としては頼りなかった。その分ふわふわしておしとやかで可憐だったな」

「ぐっ、なんか刺さる」

やはり菜子とは全然違う。いかにもな王女様だったんだ。しかもそれをアズールの口から聞かされると、ちょっと何ていうか傷つくというか落ち込むというか……。

こんなオタク女子にしてしまってごめんよ、シャルロット。