祐誠さんは、また1口、イチゴジャムをつけて食べた。


私の心がこもってる…


そんな風に言ってくれるの、本当に嬉しい。


だって、いつも『美味しくなりますように』って…願いながら作ってるから。


それを感じてくれてすごく幸せだった。


軽い食事を終えて、祐誠さんはワインを持ってきてくれた。


「ニューヨークのお土産」


「そうなんですか。嬉しいです、ありがとうございます」


慣れた手付きでグラスに注いでくれる。


透き通った綺麗な赤…


「乾杯しよう。イベントの大成功と海外ブランドの立ち上げに…」


「はい」


私、ワイングラスを持つ手がかすかに震えてしまってる。


でも…


肩が触れそうなくらい、こんな近くに祐誠さんがいたら、それは仕方のないこと。


「そして…今日、雫に会えたことに乾杯」


こんなの…映画でしか聞いたことがない。


きっと、祐誠さんだから似合うセリフ。