そっか、そうだよね。


やっぱり、あんこさんが作るパンの方が美味しいよね…


何だか急に恥ずかしくなった。


「すごくいい。うん、美味しい」


祐誠さんは静かにそう言った。


「え? ほ、本当ですか?」


さっきのリアクションは何だったの?


お世辞じゃないの?


「ああ、これなら毎日でも食べたい」


「う、嬉しいです! お口に合わなかったらどうしようかと。あっ、あの、もし良かったらイチゴジャムもどうぞ。私的にはすごく好きな取り合わせなんです」


祐誠さんは、イチゴジャムの小さな瓶に手を伸ばした。


蓋を開けて、クロワッサンに塗って…1口。


「うん、これも美味しい。甘すぎないんだな」


「はい。お砂糖はかなり控えめです」


きっと、ちょっとは無理もして、私に気を遣ってくれてるのかも知れない。


でも、目の前でどんどん食べてくれる祐誠さんを見てたら…やっぱり嬉しくなった。


もし私達が結婚したら、毎日こんな姿を見ていられるんだな。


って、私、何を想像してるの?!


け、結婚なんてできるわけないじゃない。