この曇り空は私と似ていた

明らかに空白が多い。勉強はしたのか問いただしたくなるほどだ。とはいえ、私は昨日テストに出そうなところを、見返しておいただけで九十八点を出している。つまり問いただせる立場ではない。

「次、頑張れ。それとも私、教えようか?」

「お願い」

陽果はねだるようにそう言う。

「あっ!私も」

「俺にも教えてくれ」

私達の様子を見ていたクラスメイトがそんなことを言ってくる。

私は人に勉強を教えていることが多い。特に算数では毎回満点をとっているからか、教えてと頼んでくる人が多い。

そのおかげなのか私は相変わらず、猫の手を借りたいほどの人気者。別に迷惑とか思ったことはない。自分にも相手にも頭が良くなるというメリットがあるからだ。

「了解。先着順だから陽果からね」

私はそう言ってから、陽果に国語を教え始めた。とはいえ、漢字はとにかく書くことが一番大事である。だから私から教えることはあまりない。頼んでくる人達も、どうしてそうしてくるのか、わからなくなるほどだ。


くたくたになりながも家へ帰れば、不運な出来事が待っていた。

私の家族はついこの前、離婚したばかりだ。原因は三ヶ月前、父が浮気をしていたことから毎日のように喧嘩になり、私も母もうんざりしていたからだ。