この曇り空は私と似ていた

そのあとも授業が続いた。気温は暑いし、蝉の声もうるさいしで集中が途切れそうになることもあったけれど、真面目にノートをとった。

「ねぇねぇ、清加。テスト何点だった?」

休み時間。七生がくいいるように聞いてきた。

「このクラスの最高得点とっちゃった」

私はドヤとでも言うように答案用紙をちらりと見せる。

「こりゃ負けたわ。ま、二点差だけどね」

七生は苦笑いをしながらそう言った。


私はあぶなと思いながら、鉛筆を筆箱の中にしまう。

「二人ともさ、なんでそんなにとれるの?私なんか三十点よ」

陽果は困ったようにそう言った。

確かに天然な陽果にとっては、難しいテストだったかもしれない。それにしても今回は悪い点数の方だ。いつもは五十点ぐらいのはずなのに。

「どこ間違えたの?」

「それがさ、十問くらいは部首間違えであとは空白にしてたりしてなかったり。あと全然違う漢字書いていたり」

陽果はそう言いながら、答案用紙を見せてきた。