やったことはないものだ。でもこれまでもいろいろ挑戦してきて結局はできるようになっていた。だから今回も大丈夫だろう。

「うん!やってみる」

そう元気そうに返事をしながら時計を見る。

それから私は少し急いだ気持ちで朝食を食べ終え、彩り豊かな弁当を作り、身支度をして家を出た。

空は快晴。太陽は眩しいほどに照らされていて気温も真夏日のように暑い。時々タオルで汗を拭いながら通学路を歩く。

しばらくすると、後ろから走ってくるような足音が聞こえた。

「よいしょっと!おっはよー!清加」

そうやって元気よく私の隣に来たのは陽果だ。今日もロングの髪を風にひらひらとなびかせている。

「ちょと待ってよー、陽果。あ!おはよ、清加」

七生は息を切らしながらそう言った。

私は二人の様子を見て、相変わらずだなと笑みを浮かべる。

「ちょっとさー算数の宿題、後で見せてよ」

陽果がねだるように言う。

きっとやるの忘れたんだろうな。よくあることだから。

「いいよ」