私は屋上を見渡す。

私の上履きは見当たらない。ただ隅っこにゴミ箱がぽつんとあるだけ。

まさか……。

私はそのゴミ箱を覗きこむ。すると、私の上履きが無造作に捨てられていた。

寒気が私の体をまたもや襲ってくる。

きっと昨日もここにあったのだろう。

そこから美華吏が私にどうして、ここにあったことを教えてくれなかったのか考える。実際、私からも聞いてはいないのだけれど。

きっと優しすぎる美華吏のことだから、私がガッカリすると思い、言わなかったのだろう。

やっぱり私と美華吏は正反対だ。

そう改めて確信しながら私は屋上を後にした。

上履きを履いてから教室に行けば、昨日と同じくざわざわしていたのが静寂になる。それからヒソヒソと話始める。

七生と陽果はいつも私の席の近くで楽しそうに話をしていたのだが、今日は二人そろっていなかった。

きっとまだ登校中かどこかで楽しそうに話してるかだ。それとも……欠席?

いやいや、あるわけない。

第一、あの二人が学校を休むなんてめったにないからだ。

美華吏はというと、昨日とは違って女子数人と話をしている。