水縹色(みはなだいろ)の春【1】

……。

って、ちょっと待って!?

今、私とるいと2人きりっ!?

こうなるなら、私もコンビニついていけばよかった…。

私は少しるいと距離を取った。

部屋を見渡すと、この前この曲が良いと私に教えてきたバンドのポスターや、アクセサリー、無造作に置かれた雑誌。

男の子の部屋って感じがした。

ふと、アルバムが目に入った。

「このアルバ写真見てもいい?」

「いいけど、特に面白くねーよ?」

まだるいが幼い頃の写真だった。

うわぁ、小さい時はやっぱり可愛いんだねぇ〜。

今はこんなヤンチャだけど…。

ページをめくるごとにだんだんと男らしく成長していく。

…あれ?

このアルバムの写真って…。

「俺の家、父親がいねーんだ。俺が産まれる前から母親は1人だったんだ。」

心の中を読まれたかと思い、ドキりとした。

産まれた時の写真から小学校の卒業式の写真はお母さんとるいだけしか写っていなかったのだ。

「母親1人で俺を育てんのってすげー大変だよなぁ。だから俺、強くなろうと思ったんだ。何かあったら俺が守れるだろ?」

「そうだったんだ…。
…るいは誰よりも強いよ!」

全然知らなかった。

るいが何でこんなに喧嘩強いのかなんて。

「だろぉ〜?俺最強☆」

と、笑顔を見せてくれる。

その笑顔が少しだけ胸を苦しくさせた。

「…つか、みおも一緒にゲームやろうぜ!俺1人でつまんねーよー。」

「え!?でも私ゲームとかしないから弱いと思うよ?」

「別に弱くてもいいじゃん。一緒にやるから楽しいし!…ほら、おいで?」

そう言って、自分の隣に座るよう手招きをする。

ドキッ
ドキッ
ドキッ

2人きりの部屋に私の心臓の音が聞こえそうだ。

もぅ、全然ゲームに集中できないよ〜。

「ははっ、みお弱すぎ!」

アンタのせいだよ!

まったく。人の気も知らないで…。

私はこんなにもドキドキしてるのに。

やっぱりるいは、私のこと友達としか見てないから平気でいられるんだよね。