水縹色(みはなだいろ)の春【1】

その日、さなは私に声をかけることや、

目を合わせることすらしてこなかった。

私たちはお互いに距離をとった。

今日は本当いいことが何一つなかったな…。

早く帰って勉強しよ。

校門の前に、るいと彼女の姿が見えた。

私はとっさに隠れる。

「えぇ〜今日るいの家行きたかったのにぃ〜!」

「また今度な。」

「えぇ〜、じゃあバイバイのチューして♪」

そして、るいが他の女とキスをするのを目の当たりにしてしまう。

ダメ、こらえろわたし。

グッと、涙をこらえる。

彼女だけ先に帰り、るいはその場に残っていた。

私はるいに見つからないように、そっとその場を通り過ぎる。

「おい。人のキス見てお前変態かよ。」

私はカァッと赤くなる。

「見せつけるようにしてる方が悪いでしょ!!しかも変態じゃない!!」

今まで我慢していた思いが爆発する。

「なんなのよ…。久々に学校来たと思えば彼女できたとか、学校の前で堂々とキスするとか!」

「なにそれ、僻み?」

るいは鼻で笑った。

そうだよ。

単なるヤキモチだよ…。

ガキくさいってわかってる。

でも!

「なんで、花火大会の日あんなこと言ったの…?
変に気持たせること言わないでよ!」

ずるいよ…。

私の気持ち知っといて、こんな結末ひどいよ。

「いろいろあんだよ。告られて付き合っただけだっつーの。別にいいだろ。」

「バカ!!」

私はその場から逃げるように立ち去った。