水縹色(みはなだいろ)の春【1】

「なにやってんだ?お前ら。」

そう言って、るいはこちらを一瞬見ながら自分の教室へと去っていった。

大好きだったあの匂いを残して。

私はペタンと地べたに座ったまま起き上がれなかった。

さなと松井華はまだ言い合っていた。

それすら聞こえなくなるぐらい、私はるいのことしか考えていなかった。

こころが肩を貸してくれて、ようやく立ち上がることができた。

私とこころは屋上の階段で話をした。

私の心配と、

さながるいを好きだったことと。

それは薄々気づいていた。

私とるいが話をしていれば、さなは必ずと言っていいほど不機嫌になっていたからだ。

「さなのるいへの想いは凄く大きかったの。今回は、さなもやり過ぎだと思う。
みおちんは何も悪くないけど、さなのこと許してあげて?」

私はただただ黙っていた。

熱があるみたいに頭がぼーっとする。

まだ信じられないんだ。

るいに彼女ができたなんて。

だって、花火大会の日…。

やっと気持ちが通じ合ったって。

死ぬほど幸せだって…。