水縹色(みはなだいろ)の春【1】

るいが教室から出て行く。

「待って!」

私はるいを追いかけ、使われていない教室に入った。

「どうしてあきらと喧嘩しちゃったの?」

るいは深いため息をついた。

「なんでお前に話さなきゃねぇの?
お前に関係ねぇだろ…。」

ズキンッ…!

私には関係のないことなんだ…。

ジワジワ胸が痛くなる。

「つか、なんで止めたんだよ!喧嘩の最中に割り込むなよ!危ねぇだろ!」

「こんなるい見たくないんだもん!」

私はどうしても抑えきれず、叫んでしまった。

「嫌だよ…。あきらとるいは幼馴染で仲良しなのに、傷だらけになるまで殴り合って。…そんな2人、見たくなかったんだもん…。」

「おい…、なんで泣くんだよ…。」

ハッと、気づいた時には遅かった。

涙が溢れて止まらない。

「泣くなよ。」

そう言ってるいは私を抱き寄せた。

「ちょ!…るい?」

鼓動が早くなるのがわかった。

るいの胸に私の小さな体が包み込まれる。

それがとても心地よくて。

「俺の母親。…俺が泣いた時、いつも抱きしめてくれた。
俺はそれが好きで、すぐ泣き止んでた。
…だから、お前も泣きやめよ。」

私はるいの腕の中で、赤くなった頬がバレないように隠した。