独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~

「初めまして、真緒です。初子さん、お会いできて嬉しいわ」
「初めまして、初子と申します。本日はお招きいただきありがとうございます」

少し後ろで恭さんと話していた連さんがやってきて、ぱっと破顔した。

「真緒、久しぶり」
「連、この度はご結婚おめでとう」

ありがとう、と微笑む連さんは今まで見たどの瞬間より優しげな表情をしていた。
たとえば、パーティー会場で女性たちに囲まれていたときだって、優しい顔はしている。だけど、こんなふうに穏やかな親愛を込めた表情は見たことがない。

「連が落ち着いてくれて、私も嬉しいわ」
「その姉のような口ぶりはやめてくれ」

私以外の人たちが笑う。仲のいい人たちなのが、こうしているだけですぐにわかる。幼馴染なのだ。ほんの二ヶ月前に会った私とは重ねてきた年月がまるで違う。
だから、連さんの笑顔が初めて見る種類のものでも、私が気にすることではない。
撫子さんが仕切り直すように声をあげる。

「さあ、初子さん、準備しましょう。真緒さん、お部屋貸してくださってありがとう」
「いえいえ、こういったことを男たちに任せておいても仕方ないわ。行きましょう、初子さん」

私は綺麗な年上の女性たちに手を引かれ、お屋敷の奥へ引っ張っていかれることとなった。