独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~

翌週の土曜日、私は連さんに伴われ、港区の一等地にそびえるお屋敷へやってきていた。
ガーデンパーティーとは聞いていたけれど、ホテルなどの庭ではなく、個人の御宅でやるものだったとは。しかし、お屋敷の外観からすると個人の庭でも相当な広さがあるだろうことが想像できた。

「センタールートロジスティクスの横尾社長のご自宅だ。ひとり娘の真緒とは幼馴染でね。まあ、俺は途中母親とイギリスにいたから、会ってない期間もあるんだが、高校で再会した。そこから恭と三人、良い友人関係なんだ」

お屋敷にため息をついている私に連さんが説明をしてくれる。センタールートロジスティクスは、文治の上顧客でもある。恭さんのご両親も外交官だと聞いたけれど、アッパークラスの子弟は幼い頃から繋がりを持つものなのだろう。庶民にはわからない世界だ。
時間より少々早めに到着すると、準備真っ最中の会場で撫子さんが待っていた。巻き髪と艶やかな深紅のワンピース姿だ。袖がレースでウエストの切り替え位置が高いので、彼女のボリュームのある胸が強調されている。私が着たら、絶対貧相に見えるだろう。

「初子さん、紹介するわ。横尾真緒さん」

紹介された女性が微笑んだ。撫子さんとは違った華やかさのある女性だ。
きりりとした目鼻立ち、黒い豊かなロングヘア、小柄だけど背筋が伸び、凛とした佇まいだ。濃紺のタイトなドレスを身に着けた姿は、目を惹く。